こんにちは。
アスシア行政書士事務所です。
起業やフリーランスなど、最近は自由な働き方を求める傾向が強まっていますね。
日本で生活する外国人も雇われて働くのではなく、
自分の力で事業を始めたいと考える方も多いのではないでしょうか。
外国人が事業を始めるには「経営・管理」というビザが必要になります。
それでは具体的に始める業種に制限があるのか、また条件などはあるのでしょうか。
そのあたりについて説明します。
法律上制限はありません
はい。「法律上」なんでも可能です。
もちろん違法な仕事はダメですよ。
たとえばラーメン屋、美容院、マッサージ店、リサイクルショップなど、
町中でよく見るお店ならOKです。また、貿易会社や不動産屋、
運送会社なども全然大丈夫です。
ただし、事業を行うにあたり許認可や免許が必要な場合は、
日本人と同様にそれも用意する必要がありますので、
自身が始めたい業種にどのような資格や許認可が必要なのかは
最低限調べておいたほうがいいですね。
じゃあ何でもかんでも自由に会社を作ってビザが取れるのか
と言うとそうではありません。
法律上制限はありませんが、これは最低限度のラインであり、
許可を得るにはそれだけでは足りません。
具体的には会社の実態があること、
また事業の継続性・安定性が求められます。
会社の実態があること
要はペーパーカンパニーではないことですね。
ビザをとるためだけに外見上は会社を作っておいて、
実は事業を全く行っていないというのは困るわけです。
外国人はあくまでもその事業を行うことを前提に「経営管理」ビザを得るわけですね。
その事業を行っていないということは、そもそもの前提が崩れてしまいます。
ですから会社を作ればOK、というわけではなく、
きちんとその事業を始める準備ができていることが求められます。
例えばラーメン屋をやるのであれば当たり前ですが店舗が必要ですし、
従業員も必要ですね、お皿や調理器具、その他にも仕入れ先やレシピ、
メニュー表、飲食店営業許可などなど通常ラーメン屋を始めるのであれば
用意するべきものってありますよね。
ビザの許可を取る際も同じです。
本気でラーメン屋をやるのであれば用意するであろうことをきちんとやります。
そういった準備をせずに単に会社を設立し、目的に「ラーメン屋の経営」なんて記載するだけでは、
「本当にやる気あるのか」と思われ許可は出ません。
継続性と安定性
実態があるだけでは足りません。
会社として継続して利益が出る見込みがあることが必要です。
無計画に準備したところ、赤字垂れ流しでしまいには倒産、なんてことは極力避けたいわけです。
ですから、事業の計画を示す資料として「事業計画書」が重要になります。
また、本人の学歴や経歴なども考慮されます。
ここでもラーメン屋を例にすると、例えば事業の経験も全くなく、
来日経験も０で、飲食業関係の仕事にも就いたことがない外国人が、
いきなり「日本でラーメン屋をやるから経営管理ビザをくれ！」と言ってきたとしたらどう思いますか？
普通の感覚なら「どうしてわざわざ日本でラーメン屋をやるのか。うまくいく可能性は低そうだな。」
と思いませんか？
ビザの審査も同じことで、法律上は業種に制限はないものの、
本人の学歴や経歴とつながりがあるものについては有利に判断が働きますので、
自然と範囲も絞られてきます。
もちろん経験のない業種でもきちんと準備をし、
事業計画を練り上げれば許可の可能性はあります。
結論
ここまでお話したとおり、経営管理ビザでは業種に制限はないものの、
提出書類や本人の学歴・経歴などを考慮して、本当に会社を経営するつもりがあるのか、
また事業の安定性・継続性があるのかを判断されます。
そのため、制限はないと言いつつも実際にはいろんな要素から判断されます。
そして許可が下りるか否かは別問題であるということを覚えておいてもらえれば幸いです。
ビザの中でも難解といわれる経営管理ビザは、
ビザを専門とする行政書士の中でも正しい知識と経験を持つ方は少ないので、
依頼をする際にはその点に注意して話を聞いてみて下さい。
あやふやな回答や具体的な話が出てこない場合は他を探したほうが良いかと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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